2018年1月18日 (木)

天災は忘れた頃にやってくる

すでにたくさん報道されていますが、昨日は阪神淡路大震災から23年。
あの地震の時はアメリカ似いて、日本への帰国のためにアパートを引き払う準備をしていました。連日神戸様子や天気が地元のケーブルテレビでもトップニュースでした。
2月初旬に帰国後、実家へ帰るにも新幹線が大阪までで、知り合いの工事の車で被災地を通り抜けることができました。街全体がバラバラに傾いていて、自分がまっすぐ立っているのかどうかわからなくなるような状態を覚えています。
仕事柄、破壊された様子を写真に撮りよく観察して通り過ぎました。建物形状によるもの、鉄筋の種類やボルト、鉄骨の厚さ、木造のほぞの部分の破壊、コンクリートや鉄が実際に”教科書通りに”破壊されていました。
その時代の法律をそれぞれ守ってまじめに作っているのでしょうが、それだけでは防ぎきれないと言う事実が印象的でした。これは、その後の仕事の中で忘れられない事の一つです。
1981年の法律改正後であろう建物は、かなり健全で残っているのが多く、不思議な気持ちであったことを覚えています。

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2017年11月 5日 (日)

AIと建築デザインの仕事 2

前回からの続き
データから積み上げるようなデザインの分野では、建築家の仕事は中々なくならないものと思います。
例えば、分譲住宅のプランを作る場合などは、「売れる」パターンを統計的に抽出して、上記のようなここの分野に細分化し、分析、再構成することは、ディープラーニングの進化を見るとそれほど難しくないように思います。
こうした規格化されたもの、工場やオフィスのような目的のはっきりしたものから仕事はなくなっていくように思います。
ただそれが美しいかどうかは、わかりません。
その美的な概念はどうでしょうか?
建築の、例えば外観のプロポーションで、人間が美しい、心地よいと感じるパターン、材料、色彩の組み合わせ等も、機械が学ぶことは容易に想像できます。

さらに、社会変化の要求に応じて、またそれを予測して、新しい形、ライフスタイルを提案することも可能になるような予感があります。

AIが、関数のように与えられた条件が全く同じであるなら、理論的には答えは同一になるものとすれば、きわめて複雑ではあるけれど単なる「関数装置」としての枠を超えることはできないように思います。
これに対して、人間は全く同じ条件でも同じ答えを出すとは限りません。これが進歩の源泉でもあると思うのですが、人間のきまぐれ、遊び心が生む即興性のようなものがあります。関数装置の複雑な係数を変えたり、関数の性質を変えたりすることが人間にはできます。

ただ、囲碁や将棋のプログラムのように、AIは自分自身の関数自体を書き換えてしまうことも可能なようですから、やはり建築家は何か他の仕事に就くしかないのでしょうか?

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2017年11月 3日 (金)

AIと建築デザインの仕事 1

最近AI(人工知能Artificial Intelligence)の発達で、なくなる仕事、生まれる仕事が、話題になっています。様々な仕事があげられていましたが、建築家の仕事はどうでしょうか?
まず設計の仕事は、最初は相手が様々なライフスタイルの家族であったり、多用途であったり、それぞれの場所、地域性がありますから、そう簡単にはいかないように思います。しかし、デザインの手順を見ていくと、単純な仕事に分けていくことができます。
建築計画学など様々な分野の学術的研究がなされていて、多様な条件が数値化されてきている昨今、それぞれの手順毎にAIで置き換えていくことは、そう困難ではないように思います。
例えば、快適性に関わる温度条件は、地域の気候、断熱材の条件、空調能力など複雑ではありますが、一種の関数で表されるでしょう。また、導線(人の動き、流れ)などは、建築心理学や流体の動きとして捉えることができるでしょう。さらに色彩、形状が人間に与える影響も心理学や地域文化研究のの成果が期待できます。
これらは建築の本来持っている論理性によるもので、建築を実現するための多大な労力(資金、時間etc.)を正当化するためのロジックでもあります。すなわち、建て主にお金を出してもらうための壮大な論理です。ここにAI化の可能性と限界があります。
こうした中、相反する条件を満足させ、美しくまとめるのが建築家の大切な役割ですが、こうした総合判断をAIでどのようにして行うのかは、現時点では想像もつきません。
(続く

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2017年10月21日 (土)

「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」へいきました。

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来週までの展示なので、台風接近中の雨の中混む前に土曜日の朝イチで行ってきました。
戦後からの住宅の移り変わりが、現代までまんべんなくすっきりとまとまっている印象でした。
教科書で見た、戦後から1980年代の住宅がありなつかしく見たり、学生時代に雑誌野写真や図面を熱心に見ていた住宅が、既に歴史上の住宅として位置づけされて展示されているのを見ると、ずいぶんと歳をとったものだと思うところもありました。
展示は模型と図面、ビデオが主なものですが、清家清さんの斉藤教授の家は、部分的に実物大で再現してあり、中に入ることができて、その空間を体験することができます。
室内の内部空間ボリュームが庭へ広がる様子などの体験は貴重なものでした。
また、ディテールも忠実に再現されていて、天井・建具の溝の部分をフラットにしている納め方なども、空間体験として大変良かったと思います。
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模型はスケールが大きく、図面も詳細図まで展示してあるものがあり、建築関係者には大変結構な展覧会でしたが、なんと言っても建築は外だけでなく中の空間を理解することが大切ですので、今後の技術の発展によってVR等を活用した空間体験ができるとすばらしいでしょう。
現代の住宅として、若い世代の作品の模型が展示してありましたが、どれも上から眺めるような形になってしまうために、住まい手の視線がどうしても貧弱になります。もちろん腰をかがめてみれば良いのですが、うまい展示の方法がないものでしょうか.難しいですね。
建築の大先輩方の住宅は、どれも教科書に載るような作品ばかりでしたが、改めてじっくり見てみると、都心(23区内)にありながら、どれもこれも広大な敷地にぽつんと立っていて、なんだか現実感がわかないところがなんとも・・・・。上の斉藤教授の家も、この縁側から緑豊かな敷地(庭)が見えているわけです。現代の建築化が取り組むべき課題は、こういう所も変化しているように思います。
それから、私が興味があった街と住宅の関係については、まだまだ評価の定まった作品が少ないのか、ほとんどありませんでした。家並みが街を作っていくわけですから、住宅の空間や外観、敷地との関係がどのように街に貢献しているか、街を形作っているかの作品があれば、とても参考になったのかなぁと。ひょっとしたら、鷲たちが取り組んでいる課題はまだ未開拓の分野かも知れない、ここは一つがんばってみたいもの、と思いました。

追記
近代美術館なので、上階は収蔵作品の展示を行っていて、本当に久しぶりに見てきました。撮影も可能になっていて、なんだかとても自由な感じでした。
下記は藤田嗣治の自画像。大学卒業してすぐお世話になった芦原先生のおじさんにあたり、それでいろいろな作品を見てきましたが、この絵の実物を見るのは初めてでした。
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彼のサイパン玉砕の場面は、絵の前に立つと動けなくなるほど凄惨な雰囲気で、そのディテールにいたるまで強烈なエネルギーを感じるものでした。とても写真に納めるような気持ちにならず、これが戦前の大政翼賛的な雰囲気を強化する側に回ってしまって、戦後日本に居づらくなってしまった理由の一つなのだろうかと思いました。
写真のコレクションは比較的新しいものが展示されていて、田村彰英氏の写真がありました。美術手帖という雑誌にずっと表紙を飾っていたそうで、白黒なのに夏の日差しと青々とした空、勢いのある緑を感じるような写真がとても印象に残っています。
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せっかく東京で仕事をしているのでこれを機会に色々回ってみたいものです。

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2017年10月19日 (木)

iPadでお絵かき

いきなりくだけたタイトルですが、昨年買ったiPadProを色々と活用しています。

図面をPDFにして、入れておくと出先に何枚も図面を持って、重くなることもありません。
しかし、Pro版ではapplePenを活用しない手はないと思っていましたが、なかなかうまく行かないのですが、まずは慣れることからと、いろいろなものをスケッチしてみることにしてみました。
外でゆっくりスケッチする時間もないので、気に入った近所の風景を写真に撮ってそれを写す(模写、トレースする)ことから始めました。スケッチは三次元の形を二次元に落とし込む練習が必要で、なかなか上手にできないのですが、写真をトレースすればとりあえず形はなんとかなります。あとは、塗り絵の要領ですから、たのしくいiPadで絵を描くことが出来ます。
絵を描くことからすると本当は、ものを見て直接描くのが上達の近道なのは言うまでもありません。
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建築の絵もうまくできたら載せていきます。
設計中の建物等は、CGだったり、それなりに立体にするテクニックがあるので比較的描きやすいのですが、自然を相手にするのは難しいですね。

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2017年4月 9日 (日)

建物の寿命と世の中

銀座のソニービルが閉館しまた。新しく建て替えることになるそうです。
今の建物は私が最初にお世話になった事務所の師である、芦原義信先生の設計です。何か一つの時代が過ぎていく様な感慨があります。

建物を建てるときは、いつもより遠い将来のことを考えます。住宅で言えば、ローンのこと、これからの生活、子供達の成長、自分達の老後等々。未来が予想通りに来れば良いのですが、たいていはなかなか難しいのが実情です。
だからこそ、よく考えて少しばかり融通が利くように考えていきます。少し大きめのスペースにしたり、あえて部屋に分けなかったり、場合によってはすぐに壊せるようにします(たとえば仮設の事務所等)。
都心の事務所ビルや商業ビルと呼ばれるような建物では、最初から間仕切りはなくて、階段とエレベーター、トイレ、ミニキッチンくらいで、建物は完成です。これならいろいろな用途に対応可能です。
こうしたなんにでも使えるような空間のことをユニバーサルスペースと呼んでいたこともありますが、この様な考え方が出てきたのは比較的最近のことです。この話題はまた別の機会にでも…。
さて、こうしていろいろと考えられた建物であっても、年月が過ぎると、老朽化してきたり様々な理由で建て替えられることがあります。個人的な感想ですが、壊されていく建物で老朽化が主な原因で建て替えられるより
、需要にそぐわなくなった為に壊されてしまうものが多いように思います。
例えばアパート。核家族化が進んで、住まい方が変わって、住む人が高齢化して等々。どんな用途にも使えそうな商業ビルも、店舗、業務の形態、設備(たとえばエアコンの能力、IT化への対応)等々。住宅に至っては、一世代住んでしまえば、その子供達は、滅多にその家に住み続けるケースはないように思います(本当はそうした方がエコですが)。
きちんと手入れをすれば、木造住宅だって百年は持ちますし、コンクリート、鉄骨ならもっと大丈夫でしょう。税法上の耐久年数は、せいぜい三十数年。国が寿命をそのくらいと見積もっているのが分かります。
では、これから先本当に三十数年ごとに壊しては建てるのが良いのでしょうか?そうしなければ私達は暮らしていけないのでしょうか?確かに設計の仕事は減るので暮らしたいけないかも知れません!?バブルの頃の建物がそろそろ『寿命』を迎える頃に当たります。また、最近の低金利でたくさの建物が、首都圏近郊ではバブル期のように建ち始めています。これから人口が減る世の中で、本当に需要があるのでしょうか?需要があってもメンテナンスを続けていけるのでしょうが?
もっと私たちはものを作るとき、その寿命にもっともっとよく考えなければならなと思うとともに、本当に新しく作るのが良いかを立ち止まって考えるときではないかと思います。

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2016年12月22日 (木)

昔のものを残すこと:時間が作る価値

京王線の調布駅が地下になって駅前が新しくなりつつあります。

駅前は、線路の南と北に分断されていたものが、駅が地下になることで見通しが良くなり、ずっと快適なものになるのではないかと思います。
ところで、昔の駅前広場にあった公園や古い?銀杏の木が全部撤去されて、新しくなるようです。見上げるような大木で、ここまで育つのも長い年月がかかったのだろうなぁと思えるものがたくさんあります。また、駅前の公園はお世辞にもキレイとは言えませんが、駅近でもあり保育園の子供達がよく遊んでいました。昨今、駅近の保育園って貴重ですからとても良いことだと思いました。少し前にこの駅前の木を切らないでほしいという陳情を市長さんに行うと言うニュースをネットで見て、一体どんな計画になるんだったかなぁと思い、計画のお知らせを改めてみてみました。
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なかなか、モダンな外観のおしゃれな計画です。上から(上空から)見たCGしかなかったので、実際にどんな雰囲気になるのかは想像するしかないのですが、今ある古い大木や子供達が遊んでいてたレトロな公園はなくなるようです。
それはそれで、新しい街を作る意気込み、元気の良さ、洗練等々とても好ましいことなのですが、営々としてして時間が築いてきた価値を全くなかったかのような計画に、少しさびしいものを感じました
古いものがえらいわけでもないし、新しいからだめな訳でもないのですが、時間が作る価値にももう少し目を向けても良いのではないか?と思いました。

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2016年12月11日 (日)

パナソニック豊洲モデルハウス

昨日土曜日、豊洲にあるパナソニックテクノストラクチャーモデルハウスにビルダーさんのご案内でたくさんのお客様が見えました。そのビルダーさんとは10年来のおつきあいなので、同席さていただいて、パナソニックの工法による建築デザインの協力と、ビルダーさんの技術力、当社の個別設計によるサポートについてなどをお話しさせてもらいました。

モデルハウスですので、空間、設備、仕上げ等々なかなかのグレードですが、そこはお客様もしっかり把握されていて、「ここまで広いといいなぁ・・・」との声も。しっかり、現状認識、空間把握をされていらっしゃるのに、改めて感心させられました。パナソニックは電機メーカーさんなので、電気設備、IT技術などふんだんに取り入れていますが、生活の楽しみ方にどう取り入れていくか等々、建築デザインもその理解を深める必要があります。
たとえば照明。明るさを満たすだけでなく、どこの照明をどのような明るさ、色にすることでどのような空間を、生活スタイルを演出するか、一つ一つスイッチを入れたり消したりしていては大変ですが、これをある程度メニュー形式にして提案する実演がありました。なかなかこうした知恵は実現、実行するのは難しいのですが、こうした電機メーカーさんとの提案も取り入れていくと面白いですね。
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2016年12月 3日 (土)

街並みを美しく・・・

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高速道路、幹線道路、鉄道の沿線は、こうして空間が大きく開いていて、建物全体がよく見えるところが多いようです。そのため、それぞれの建物は趣向を凝らして、建て主さんの意気込みも後押しして、街並みに参加しているけれど、集団の景色としては、なかなか良い雰囲気になるところは多いとは言えないようです。
きっと、高さ、色、etc。揃えれば多少は見映えはするんでしょうが、それでいいってものでもないし、みんながそれで納得して、すんなり合意するのも難しかろう・・・タウンアーキテクトという職能も提案されているけれど、私有地の中での行為にどれだけ口を出せるものなのか?

外国の例も含めて、色々方策を考えなくてはいけません。

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2016年12月 1日 (木)

家づくりのお手伝い

久々の更新で、宣伝です。
パナソニックESテクノストラクチャー社が主催する建築家グルーブ「テクノストラクチャーデザインパートナーズ」という取り組みがあります。私もその一員として、パナソニックテクノストラクチャービルダーズ(会員工務店)のデザイン支援をしています。
今月11日には、東京、豊洲のパナソニックテクノストラクチャーショールームにて、設計相談会が開催され、私も当日はビルダーさん、お客様へのご相談アドバイスをいたします。参加ご希望の方は、お近くのパナソニックビルダーさんへご連絡の上、お申し込み下さい。
下記のサイトから、最寄りのビルダーさんを見つけることが出来ます。Logo

問い合わせ先
パナソニックESテクノストラクチャー株式会社

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